歯周病の進行度と治療の流れ
正常
健常な歯周ポケットは、1~3mm です。
処置
3~6カ月に一度、定期検診を行いしっかりとプラークコントロールしましょう。
歯周ポケットが2m以下でもプラークがついているような場合は危険信号です。
歯肉炎
歯肉溝にプラークがたまり、歯肉に炎症が起きています。そのことにより歯周ポケットと呼ばれるものができました。この段階では、歯を支える歯槽骨は吸収していません。
処置
3カ月に一度ぐらい検診を行い、ブラッシングにて改善をはかります。PMTCによりプラークや歯石を除去して歯周ポケットの拡大を防ぎます。
軽度歯周炎
歯周ポケットは、4~5mm ほどになり、ポケット内にプラークや歯石がたまり炎症がより強くなります。歯肉の色が赤みを帯びてきます。歯を支える歯槽骨も吸収し始めます。
自覚症状はほとんどありませんが、体調が疲れたときなど抵抗力が低下した際に、違和感や噛んだ時の痛み、歯磨きの時の痛み等の症状を覚えることがあります。
処置
この時期はご自宅でのお手入れとポケット内のお掃除(SRP)だけで改善することが多い段階です。ここで改善することで、歯周病の進行を防ぐことができます。
中等度歯周炎
炎症が進行して歯周ポケットが深くなります。歯槽骨の吸収も進行してきます。歯を指で押すと弱干ぐらぐらしてきます。
定期的に歯肉が腫れたり、痛みを自覚されたりします。
硬いものが噛みにくくなったり、口臭を伴うことがあります。
骨の吸収に伴い、歯肉も退縮してくるため「歯ぐきがやせてきた」と思われる方が多い段階です。
処置
個々の治りの反応を見て(細菌の種類や量、免疫力の違い、喫煙や全身疾患の有無などで個人差があります)歯周外科手術及び再生療法へ移行する場合もあります。
重度歯肉炎
炎症により高度に歯槽骨が破壊され、歯の周りにわずかしか支える骨が残っていない状態です。
歯のぐらぐらも著しくなり歯肉も全体的に真っ赤もしくは赤紫色になり出血も認められます。
処置
この時期になると、かなり歯を保存することが厳しくなります
歯を保存できるようであれば歯周外科手術、再生療法(GTR・エムドゲイン等)を行います。
場合によっては、重度の歯周炎の歯を抜歯し、残っている歯を救う選択の方が有効なこともあります。
歯周病用語集
歯周ポケットとは
歯周ポケットは、歯と歯ぐきの境目の溝のことを言います。
歯はハグキとぴったりつながっているかのように見えますが、
実は歯とハグキの間にはわずかな隙間があります。
スケーリング・SRP(スケーリング・ルートプレーニング)とは
スケーリングとは歯からプラークや歯石を取り除くこと、
ルートプレーニングとはその後仕上げを行う(表面を滑沢にすることです)ことと覚えていただければいいと思います。
PMTCとは
歯科医師または歯科衛生士による(Profesional),機械的・物理的な(Mechanical)、
歯のクリーニング(Tooth Cleaning)、つまり早い話が歯医者さんでしてもらう
歯みがきのことです。
定期的に「PMTC」を行い、ご家庭でのプラークコントロールでは除去しきれない
プラークまで徹底的に除去して歯の表面の細菌を取り除き、
歯の表面をつるつるに研磨してプラークの付着しにくい環境を作る事でことで、
虫歯・歯周病の予防効果を高めます。
歯周外科手術・再生療法とは
スケーリングなどで歯石などを十分に除去できないほど歯周ポケットが深い状態や、歯周病の進行が進んで
しまった状態に対して外科的にポケットの深さを減少させる手術があります。
また、特殊な材料を用いて部分的に失われた骨を再生させる手術を行う場合もあります。手術はそれぞれの病態にあった方法が適応されます。